HIF -PH阻害薬への期待と懸念
心肺保護薬としての期待と懸念
坂本 和雄
1
,
西 慎一
1
1神戸大学大学院医学系研究科腎臓内科腎・血液浄化センター
キーワード:
HIF-PH阻害薬
,
心腎症候群
,
cardio renal anemia syndrome
,
心筋症
,
肺高血圧症
Keyword:
HIF-PH阻害薬
,
心腎症候群
,
cardio renal anemia syndrome
,
心筋症
,
肺高血圧症
pp.1337-1341
発行日 2022年9月10日
Published Date 2022/9/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000002308
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腎臓と心臓は体液調節に関連する臓器として互いに影響を及ぼし,腎臓と心臓の一方の機能障害が起きるともう一方の臓器にも機能低下が起きることは心腎症候群(cardiorenal syndrome;CRS)として知られている.実際に,慢性腎臓病(CKD)の進行とともに心不全入院の頻度が増加する.またCKDの進行は心不全患者の全死亡率,心血管死亡率,および入院のリスクの増加と関連している.CKD患者では,貧血,鉄利用障害,高血圧症,前負荷となる体液量過剰,左心肥大,動脈硬化やシャントによる後負荷増大,交感神経やレニン・アンギオテンシン・アルドステロン系の亢進など心不全のリスク因子を多数抱えている.一方で治療としてCKDステージG4以降ではエビデンスのある薬物療法が確立されていない.そのようななかで貧血の改善による心不全の転帰の改善が期待される.
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