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特集 腎移植2023:最新の動向とトピックス
トピックス
腎移植患者とHIF-PH阻害薬
Hypoxia-inducible factor prolyl hydroxylase inhibitors in kidney transplant recipients
坂本 和雄
1
SAKAMOTO Kazuo
1
1神戸大学大学院医学系研究科腎臓内科 腎・血液浄化センター
キーワード:
腎移植
,
HIF-PH阻害薬
,
移植後貧血
,
PTA
Keyword:
腎移植
,
HIF-PH阻害薬
,
移植後貧血
,
PTA
pp.805-807
発行日 2023年12月25日
Published Date 2023/12/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001131
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はじめに
腎移植後の約30~50%に貧血が生じるとされ,移植後貧血(posttransplantation anemia:PTA)として認識されている。PTAの定義は報告により異なるが,世界保健機関(World Health Organization:WHO)の貧血の定義と同様に成人男性でHb(hemoglobin)値13g/dL未満,成人女性でHb値12g/dL未満としていることが多い1)。PTAは移植片機能不全や糸球体濾過量の低下,心血管疾患(うっ血性心不全,左室肥大)と関連している。PTAの原因は鉄欠乏,拒絶反応,薬剤,感染症など多岐にわたる。PTAは早期(移植後6カ月以内)と維持期(移植後6カ月以降)に分類され,特に維持期では移植片機能の低下に伴いエリスロポエチン不足による腎性貧血が問題となってくる。既存の治療である鉄補充と赤血球造血刺激因子製剤(erythropoiesis stimulating agent:ESA)投与に加えて低酸素誘導因子プロリルヒドロキシラーゼ(hypoxia-inducible factor prolyl-hydroxylase:HIF-PH)阻害薬が登場したことで,新たな治療選択肢が加わった。
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