HIF―PH阻害薬への期待と懸念
VEGF増加による期待と懸念
桑野 克久
1
,
小畑 陽子
1,2
,
阿部 伸一
1
,
西野 友哉
1
1長崎大学病院腎臓内科
2雄博会千住病院
キーワード:
VEGF
,
HIF-PH阻害薬
,
エリスロポエチン
,
悪性腫瘍
,
網膜症
Keyword:
VEGF
,
HIF-PH阻害薬
,
エリスロポエチン
,
悪性腫瘍
,
網膜症
pp.1685-1690
発行日 2022年12月10日
Published Date 2022/12/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000002406
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透析患者では悪性腫瘍の発生頻度が高く,そのなかでも腎細胞癌の頻度が高い.透析患者の腎細胞癌の発生率は一般人の約15倍とされ,透析は腎細胞癌発生の重要なリスクファクターである.悪性腫瘍において,低酸素誘導因子(hypoxia inducible factor;HIF)の安定化による血管内皮細胞増殖因子(vascular endothelial growth factor;VEGF)の発現が,腫瘍組織における血管新生を引き起こし,病態を増悪させると考えられている.また糖尿病網膜症に関しては,本邦の失明原因の第2位の疾患である.糖尿病網膜症の原因は,慢性の高血糖状態に伴う網膜毛細血管の細小血管障害であり,その発症と進行にもHIF・VEGFが深く関わっている.
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