HIF-PH阻害薬への期待と懸念
心筋梗塞・狭心症に対する期待と懸念
竹田 徹朗
1
1 獨協医科大学埼玉医療センター腎臓内科
キーワード:
CKD
,
CVD
,
HIF-PH阻害薬
,
動脈硬化
Keyword:
CKD
,
CVD
,
HIF-PH阻害薬
,
動脈硬化
pp.220-226
発行日 2023年2月10日
Published Date 2023/2/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000002467
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循環器疾患は全世界的に死因の第一位を占める.心血管疾患の発症には,虚血や低酸素が重要な役割を担っている.低酸素誘導因子(HIF)は,低酸素応答における重要な転写因子であり,血管新生,赤血球生成,解糖系代謝,炎症などに関与する多くの遺伝子の転写を制御している.最近の研究では,組織特異的なHIFノックアウトあるいは過剰発現の動物モデルを用いて,高血圧,動脈硬化,大動脈瘤,肺動脈性高血圧,心不全の病態における細胞特異的HIFの役割が明らかにされてきている.そのようななかで,HIF-PH阻害薬を手にしたわれわれには,心筋梗塞後の回復にHIF-PH阻害薬は期待される点があるのか,血栓症誘発によりHIF-PH阻害薬は心筋梗塞発症リスクのある症例に使用できるのか,といった懸念や疑問がある.
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