Japanese
English
特集 腎臓の自動制御機構
【総論】
AKIと腎内保護機構
AKI and the protective mechanism in the kidneys
藪下 紗耶香
1
,
南學 正臣
1
,
三村 維真理
1
YABUSHITA Sayaka
1
,
NANGAKU Masaomi
1
,
MIMURA Imari
1
1東京大学医学部附属病院 腎臓・内分泌内科
キーワード:
AKI
,
低酸素
,
HIF
,
AKI to CKD transition
,
HIF-PH阻害薬
Keyword:
AKI
,
低酸素
,
HIF
,
AKI to CKD transition
,
HIF-PH阻害薬
pp.685-689
発行日 2022年11月25日
Published Date 2022/11/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000365
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はじめに
これまで急性腎障害(acute kidney injury:AKI)は,急激で短期間に発症する一過性の腎機能障害であり,その病態を脱すれば腎機能は完全に回復するものだと考えられてきた。しかし近年,AKIを起こした患者はたとえ短期間の腎障害であっても,さまざまなメカニズムによって細胞内が障害された記憶が長期にわたり影響し,慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)に移行することが明らかになってきた。AKIは,一過性の腎血流低下および臓器の虚血による低酸素が直接の原因であり,ほかには腎毒性物質によるAKIでも虚血が病態に関与している。また,CKDの病態への進行は原疾患によらず,尿細管・間質の低酸素が関与していることが知られており,低酸素は腎臓病のfinal common pathwayである。
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