特集 透析医療のgender diversity
3.日本透析医学会統計調査における性差
川口 祐輝
1
,
土谷 健
1
1 東京女子医科大学血液浄化療法科
キーワード:
性差
,
透析患者
,
日本透析医学会統計調査
Keyword:
性差
,
透析患者
,
日本透析医学会統計調査
pp.1264-1269
発行日 2022年9月10日
Published Date 2022/9/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000002295
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日本透析医学会統計調査は,日本の透析療法の現況を表す,バイアスの少ないデータベースである.これまで,透析患者の発生率は,男性のほうが多く,男女間の差は年々拡大していると考えられてきたが,近年は疾病構造の多様化も影響し,一概にそういえなくなっている.また,死亡率に関して,女性には原則的に生存の優位性があるといわれているが,透析患者ではそれが当てはまらないことも多い.日本人女性透析患者では,若年層の心血管系死亡率と高齢層の非心血管系死亡率(とくに感染症)が,男性と比べて低いことから,他国と異なる傾向を示している.性差医療の実践には,既存のデータベースを用い,現況を把握していくことが重要だと考える.
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