特集 透析医療のgender diversity
8.家庭・社会環境を巡る性差(1)透析患者の就業
中山 昌明
1
,
丸山 之雄
2
1聖路加国際病院腎センター・腎臓内科
2東京慈恵会医科大学腎臓・高血圧内科
キーワード:
透析患者
,
就業
,
性差
,
疲労感
Keyword:
透析患者
,
就業
,
性差
,
疲労感
pp.1301-1308
発行日 2022年9月10日
Published Date 2022/9/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000002301
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国内の新規透析患者の3割は65歳未満であり,全体の透析患者では65歳未満例は10万人を超える.これら生産年齢層の透析患者の就業は,患者QOL向上に繫がるとともに,さらに,医学的には就業は入院・死亡に対する独立した影響因子であることが確認されている.国内調査では,60歳未満年齢の男性で6割,女性で5割の患者は仕事に就いていた.一方,無職の患者においても男性で約7割以上,女性で約5割が就業を希望していた.就業阻害因子としては,年齢要因を除けば,主因は男女とも体調不良の影響であり,次いで男性では適職なし,女性では家庭の事情だった.患者予後の全般的改善を目指すうえで,就業支援はきわめて重要である.
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