特集 CKD・透析患者の最近の知見による体液管理
1.体液調節機構とその異常
小松 康宏
1
1群馬大学大学院医学系研究科医療の質・安全学講座
キーワード:
細胞外液量
,
Naバランス
,
浸透圧
,
抗利尿ホルモン
Keyword:
細胞外液量
,
Naバランス
,
浸透圧
,
抗利尿ホルモン
pp.1087-1092
発行日 2021年9月10日
Published Date 2021/9/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001883
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腎臓はNaバランス,水バランスを調節する主要臓器である.細胞外液量の減少は,静脈系の低圧圧受容体や動脈系の高圧圧受容体によって感知され,レニン・アンジオテンシン系,抗利尿ホルモン,交感神経系などを介して,腎臓からのNa排泄が調整される.腎障害が進行するとNa,水バランス異常が生じやすくなる.Na排泄の低下は細胞外液量増加を招き,水バランス調節の異常は血漿Na濃度の異常を招く.慢性腎臓病が進行しても,腎臓の適応機序によって,末期腎不全に至るまでは,体液量バランスは比較的維持される.
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