透析患者の消化管疾患AtoZ 各論
5.胃・十二指腸 4 機能性ディスペプシア
大島 忠之
1
,
三輪 洋人
1
1兵庫医科大学消化器内科学
キーワード:
Rome Ⅳ
,
消化管運動機能改善薬
,
アコチアミド
Keyword:
Rome Ⅳ
,
消化管運動機能改善薬
,
アコチアミド
pp.1006-1009
発行日 2021年8月25日
Published Date 2021/8/25
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001856
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
機能性ディスペプシア(functional dyspepsia;FD)は,胃十二指腸に器質的な異常がないにもかかわらず胃もたれや胃痛などの上腹部症状を呈する症候群である.本邦のFD診療ガイドラインで「症状の原因となる器質的,全身性,代謝性疾患がないにもかかわらず,慢性的に心窩部痛や胃もたれなどの心窩部を中心とする腹部症状を呈する疾患」とされ,一般診療で用いられるように定義されている.世界的には,1988年にRome基準が提唱され,3度の改訂がなされ,現在ではRome Ⅳ基準が用いられている.このRome Ⅳ基準では,わずらわしい上腹部症状,すなわち食後の膨満感,早期飽満感,心窩部痛,心窩部灼熱感のうち一つ以上の症状を有する患者で,6カ月以上前から症状があり,最近3カ月間は上記の基準を満たしており,内視鏡検査や腹部超音波検査で症状の原因となる器質的疾患が確認されないものと定義されている.また,症状のパターンから食後愁訴症候群(postprandial distress syndrome;PDS)と心窩部痛症候群(epigastric pain syndrome;EPS)に分けられている.
Copyright © 2021, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.