特集 日常診療で問題となる小児の機能性疾患
2.過敏性腸症候群
中山 佳子
1
1信州大学医学部小児医学教室
キーワード:
過敏性腸症候群
,
Rome Ⅳ
,
脳腸相関
,
薬物療法
,
食事療法
Keyword:
過敏性腸症候群
,
Rome Ⅳ
,
脳腸相関
,
薬物療法
,
食事療法
pp.243-248
発行日 2018年3月1日
Published Date 2018/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000364
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過敏性腸症候群は,症状の原因となる器質的疾患を伴わず,排便と関連する反復性腹痛と便通異常(下痢・便秘)を主症状とする機能性消化管疾患である.ストレスを誘因に症状の増悪と改善を繰り返し,生活の質の低下,不安症やうつ,不登校等を伴うことがある.診断はRome Ⅳによる国際的な症状診断基準を参考とする.炎症性腸疾患と好酸球性胃腸炎は常に鑑別疾患として考慮されるべき重要な疾患である.治療は脳腸相関の病態に基づき患者を取り巻く心理社会的要因への対応,薬物療法,食事療法等総合的にアプローチする.本稿では,成人IBSの適用で新規に発売された治療薬,海外で注目されている食事療法等最近のトピックスを紹介する.
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