特集 消化管治療薬 外来での使いどころ
領域別消化管治療薬の使い方
《上部消化管領域》
機能性ディスペプシア治療薬
富田 寿彦
1
,
中村 久美子
1
,
大島 忠之
1
,
福井 広一
1
,
渡 二郎
1
,
三輪 洋人
1
Toshihiko TOMITA
1
,
Kumiko NAKAMURA
1
,
Tadayuki OSHIMA
1
,
Hirokazu FUKUI
1
,
Jiro WATARI
1
,
Hiroto MIWA
1
1兵庫医科大学内科学消化管科
キーワード:
機能性ディスペプシア
,
アコチアミド
Keyword:
機能性ディスペプシア
,
アコチアミド
pp.231-235
発行日 2018年2月1日
Published Date 2018/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika121_231
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Summary
▪機能性ディスペプシア(FD)は,本邦ではこれまで慢性胃炎という保険病名で診断・治療されてきた.2013年に本邦でFDという保険病名として承認され,2014年4月に日本消化器病学会から「機能性消化管疾患診療ガイドライン2014―機能性ディスペプシア(FD)」が発刊された.
▪ディスペプシア症状の原因は,外的刺激やストレスに対する過剰応答がきっかけとなり,最終的に胃運動機能異常や内臓知覚過敏が誘因となって症状を発現するのではないかと考えられている.また,最近の研究ではその症状発現のkey organとして十二指腸が注目され,粘膜の微細炎症や透過性亢進などが新たな病因として研究されている.
▪FD診療ガイドラインでは,初期治療として酸分泌抑制薬,運動改善薬が推奨されているが,FDに保険病名として使用できる薬剤はアコチアミドだけである.
© Nankodo Co., Ltd., 2018