症例による透析患者の画像診断
上腸間膜静脈気腫症を生じ,保存的に改善を認めた腹膜透析患者の1例
山田 将平
1
,
関 来未
2
,
小板橋 賢一郎
1
,
櫻田 勉
1
,
柴垣 有吾
1
1聖マリアンナ医科大学腎臓・高血圧内科
2聖マリアンナ医科大学臨床研修センター
キーワード:
腹膜透析
,
腸間膜静脈気腫症
,
非閉塞性腸管虚血
Keyword:
腹膜透析
,
腸間膜静脈気腫症
,
非閉塞性腸管虚血
pp.205-209
発行日 2021年2月10日
Published Date 2021/2/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001628
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門脈/腸間膜静脈気腫症(portomesenteric venous gas;PVG)はおもに腸管虚血を示唆する所見であり,緊急の外科的処置を要する徴候である.しかし,PVGが保存的治療のみで改善した報告も散見される.近年では血液透析患者において透析中の一過性の低血圧により非閉塞性腸管虚血(non―occlusive mesenteric ischemia;NOMI)をきたしたが,保存的治療のみで改善を認めた症例も報告がある.今回われわれは,腹膜透析(peritoneal dialysis;PD)患者において尿路感染およびPD関連腹膜炎によると考えられる敗血症性ショックによって上腸間膜静脈気腫症をきたし,保存的治療で改善を認めた症例を経験したため報告する.
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