発行日 2008年10月1日
Published Date 2008/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2009003494
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
69歳男。患者は肺癌切除後、肺気腫でフォローアップ中であった。今回、上部消化管造影で十二指腸水平脚の直線的途絶、腹部CT・超音波検査で十二指腸の拡張、先細り様の閉塞、大動脈と上腸間膜動脈(SMA)との角度の低下等が認められ、SMA症候群と診断された。肺癌手術後3年間に約20kgの体重減少を認めていることから、肺気腫に伴う体重減少によりSMAと腹部大動脈の間隙が狭小化し、十二指腸水平脚が圧迫されたことが原因と考えられた。左側臥位で十二指腸の通過が確認できたため、保存的治療を選択、経中心静脈高カロリー輸液下に食後の姿勢療法を継続し、経静脈的脂肪製剤を併用した。その結果、入院25日目には以前と同様の食事摂取が可能となり、体重も増加傾向となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2008