特集 感染症と医療安全
4.感染症別の対策(7)多剤耐性菌およびClostridioides difficile(CD)
朝野 和典
1
1大阪大学大学院医学系研究科・医学部感染制御学
キーワード:
多剤耐性菌
,
Clostridioides difficile
,
プラスミド
,
接触感染対策
Keyword:
多剤耐性菌
,
Clostridioides difficile
,
プラスミド
,
接触感染対策
pp.175-180
発行日 2021年2月10日
Published Date 2021/2/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001622
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多剤耐性菌およびClostridioides difficile感染症は,いずれも抗菌薬の使用が要因となり,医療スタッフの手指や,汚染された器具および環境から感染する院内感染症として発症することが多い.近年は,同一菌株の伝播のみならず,耐性遺伝子を搭載したプラスミドの伝播による菌種を超えた院内感染が起こっており,制御にはより高度な知識と技術が必要となった.多剤耐性菌に有効な抗菌薬は少なく,かつ腎臓障害性など副作用に注意が必要であるものが多い.したがって,まず院内感染予防に力を入れることが最も有効な治療法となるということを強調したい.
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