特集 バスキュラーアクセス―トラブルを少なくするために
12.透析シャントの末梢血管および中心静脈に対するステント留置
堀田 祐紀
1
,
役田 洋平
1
,
池田 正寿
1
,
名村 正伸
1
1心臓血管センター金沢循環器病院循環器内科
キーワード:
バスキュラーアクセス
,
血管内治療
,
ステント留置
Keyword:
バスキュラーアクセス
,
血管内治療
,
ステント留置
pp.835-845
発行日 2020年8月10日
Published Date 2020/8/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001353
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透析シャント狭窄・閉塞に対しては血管内治療が第一選択とされる.末梢血管病変においてバルーン拡張後に急性血流障害を伴う静脈解離が生じた場合にはステント留置の適応であり,自己拡張型ステントが使用される.中心静脈病変に対しても,末梢血管と同様にバルーン形成術が基本であるが,バルーン拡張後の急性血流障害では退避的ステント留置の適応である.また,短期間に繰り返す再狭窄病変,長い慢性完全閉塞病変でも開存期間の延長を期待して待機的ステント留置が行われる.中心静脈にステントを留置する際には,アクセス返血の血流方向を考慮したステント留置が必要であり,病変部位および狭窄形態により自己拡張型ステントとバルーン拡張型ステントの使い分けが重要である.とくに,左腕頭静脈の圧迫狭窄病変では,自己拡張型ステントでは十分な拡張が得られず,バルーン拡張型ステントが選択される.
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