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増刊号 消化管診断・治療手技のすべて2021
大腸
治療
ステント留置術
Self-expandable Metallic Stent Placement for Malignant Colorectal Obstruction
桑井 寿雄
1
,
楠 龍策
1
1呉医療センター中国がんセンター消化器内科
pp.776-777
発行日 2021年5月24日
Published Date 2021/5/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403202454
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大腸ステント留置術の適応は,原発性および外因性の大腸悪性狭窄で,腸閉塞発症後はできるだけ早期に施行する.絶対的な禁忌は穿孔を伴う症例であるが,その他にも,①強い炎症や瘻孔を伴っている症例,②肛門縁に近い(歯状線より5cm以内)症例,③狭窄部が複数の症例,④bulkyな腫瘍で狭窄が長大かつ複雑な症例,などは適応を慎重に検討する必要がある.また,大腸ステントは常に偶発症が起こる可能性を伴うため,予防的な留置は行わない1).症例の閉塞程度の評価は大腸ステント安全手技研究会が考案したCROSS(colorectal obstruction scoring system)を用いて行う.術前減圧(bridge to surgery ; BTS)目的でCROSS score 0〜1,緩和(palliation ; PAL)目的でCROSS score 0〜2が適応の目安となる(Table 1)2).狭窄部をスコープが通過可能な症例は,基本的に適応外である.
手技は必ず透視下で施行し,CO2送気と送水システムは必須である.病変は屈曲部にあることが多いため,先端硬性部が短く細径のスコープが有用である.ステントは,BTS,PALともにuncovered typeが推奨されており,axial forceが小さくradial forceが十分で,かつデリバリーシステムが9Frのものが使いやすい.ステント長は狭窄長より両側1.5〜2cm程度長いものを選択する1).
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