特集 バスキュラーアクセス―トラブルを少なくするために
8.動脈表在化の適応と問題点
室谷 典義
1
,
白鳥 享
1
,
大森 聡
1
,
石井 公祥
1
,
杉原 裕基
1
1JCHO 千葉病院腎センター
キーワード:
動脈表在化
,
心機能
,
心拡張能
Keyword:
動脈表在化
,
心機能
,
心拡張能
pp.803-806
発行日 2020年8月10日
Published Date 2020/8/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001349
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わが国は世界一の超高齢社会となっており,透析歴の長期化,高齢透析患者の増加が著しい.心機能の低下した患者には心負荷のないバスキュラーアクセス(VA)である動脈表在化が良い適応である.しかしながらわが国の2008 年と2017 年のVA の全国統計では,表在化の割合は1.8 %のままである.2008 年の透析患者の高齢化率(65 歳以上の割合)は55.1 %,2017 年のそれは67.1 %と報告されている.当院で行ったVA 手術のなかの動脈表在化の割合を2008 年と2017 年で比べると13.4→38.4 %であった.透析患者が心不全で亡くなっても「透析患者だから」と片付けられているかもしれない.循環器内科医との密な連携が大事であろう.
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