特集 透析患者PADの最前線
2.透析患者におけるPAD の現況
日髙 寿美
1
1湘南鎌倉総合病院腎臓病総合医療センター
キーワード:
皮膚灌流圧
,
動脈石灰化
,
多血管病
,
蛋白・エネルギー喪失
,
透析低血圧
Keyword:
皮膚灌流圧
,
動脈石灰化
,
多血管病
,
蛋白・エネルギー喪失
,
透析低血圧
pp.651-658
発行日 2020年7月10日
Published Date 2020/7/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001314
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透析患者は導入期より末梢動脈疾患(PAD)の合併が多く,透析期間が長期化するとPAD の有病率も上昇する.透析患者の血管病変は下腿・足部動脈の狭窄・閉塞したoutfl ow 型が多く,潰瘍・壊疽をきたしやすい.動脈石灰化は顕著で,透析患者は易感染性があり,多血管病を有する頻度が高いため,下肢動脈だけでなく全身を診なくてはいけない.透析患者は異化が亢進したPEW の状態でサルコペニアをきたしやすいので,バランスのとれた十分な栄養摂取が望まれる.透析低血圧はPAD を進展させる危険因子であり,透析中に低血圧を呈さないように工夫する.透析膜の選択や血液濾過透析など透析の工夫もPAD 予防や進展防止に重要である.下肢末梢動脈疾患指導管理加算の効果が期待される.
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