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第5土曜特集 循環器病学の未来──基本計画から考える循環器病学のグランドデザイン
循環器病におけるゲノム・オミックス研究の将来展望
東アジア最大の循環器病リスク遺伝子RNF213多型
RNF213 variants as the greatest risk gene for systemic vascular disease in East Asia
石山 浩之
1
,
猪原 匡史
1
Hiroyuki ISHIYAMA
1
,
Masafumi IHARA
1
1国立循環器病研究センター脳神経内科
キーワード:
RNF213遺伝子
,
もやもや病
,
頭蓋内動脈狭窄
,
多血管病
,
RNF213関連血管症
Keyword:
RNF213遺伝子
,
もやもや病
,
頭蓋内動脈狭窄
,
多血管病
,
RNF213関連血管症
pp.1236-1240
発行日 2022年12月31日
Published Date 2022/12/31
DOI https://doi.org/10.32118/ayu283141236
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RNF213遺伝子のp.R4810K多型は,東アジアのもやもや病における創始者多型として同定された.ほどなくして,本多型と非もやもや病の頭蓋内動脈狭窄症との関連も示され,もやもや病と連続したスペクトラムを示すRNF213関連血管症という疾患概念が提唱された.一方,もやもや病は頭蓋内血管のみならず,頸部血管や冠動脈,肺動脈,大動脈,腹部内臓動脈,末梢動脈を含む多血管病を呈することがあり,これらは本多型を中心としたRNF213遺伝子変異が関連することがわかってきた.RNF213遺伝子多型による血管病変の重症度や罹患領域は一様でなく,何らかの環境因子,遺伝因子が共同して表現型を規定すると考えられる.RNF213遺伝子多型は東アジアにおける循環器病最大のリスク遺伝子であり,循環器病制圧のためにRNF213関連血管症の病態解明が不可欠である.
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