特集 いま知っておきたい! 内科最新トピックス
巻頭トピックス
新規便秘治療薬の特徴
猪口 和美
1
,
正岡 建洋
1
1慶應義塾大学病院内科学(消化器)
キーワード:
上皮機能変容薬
,
胆汁酸トランスポーター阻害薬
,
ラクツロース
,
ポリエチレングリコール
Keyword:
上皮機能変容薬
,
胆汁酸トランスポーター阻害薬
,
ラクツロース
,
ポリエチレングリコール
pp.353-356
発行日 2020年9月1日
Published Date 2020/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika126_353
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Summary
・2012年にlubiprostoneが保険適用になって以降,linaclotide,elobixibatなどの新規便秘治療薬が次々と利用可能になり,以前より許可されていたものの便秘に対する適用を有さなかったラクツロース製剤やすでに海外では広く使用されてきたポリエチレングリコールも慢性便秘に対して使用できるようになった.
・オピオイド誘発性便秘に対してオピオイド受容体拮抗薬であるnaldemedine(スインプロイク)が発売された.
・従来の便秘薬では高マグネシウム血症や刺激性下剤への依存,メラノーシスが問題となることがあったが,使用できる薬剤の選択肢が増え,従来のものと組み合わせることでより安全に便秘治療が行えるようになった.
・今後は,長期的な安全性の評価や多様化した便秘治療薬の使い分け方法を確立することが期待される.
© Nankodo Co., Ltd., 2020