特集 糖尿病治療薬のチョイス!—こんなとき,あんなとき
一歩進んだ薬剤のチョイス
便秘が併存する糖尿病患者への治療薬のチョイス
古川 慎哉
1
,
三宅 映己
2
,
松浦 文三
3
1愛媛大学総合健康センター
2愛媛大学大学院医学系研究科消化器・内分泌・代謝内科学
3愛媛大学大学院医学系研究科地域生活習慣病・内分泌学
キーワード:
便秘
,
刺激性下剤
,
胆汁酸トランスポーター阻害薬
,
上皮機能変容薬
,
マグネシウム
Keyword:
便秘
,
刺激性下剤
,
胆汁酸トランスポーター阻害薬
,
上皮機能変容薬
,
マグネシウム
pp.112-115
発行日 2025年1月10日
Published Date 2025/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.002576990620010112
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Point
◎便秘の診断および治療において,まず消化管の狭窄病変を確認する必要がある.
◎糖尿病では腸管運動の低下や直腸の感覚閾値が上昇することがあり,便秘の合併が多い.
◎加えて神経障害,高血糖,食事摂取量減少,糖尿病治療薬によって便秘になりやすい可能性がある.
◎費用対効果の面から浸透圧性下剤が第一選択である.酸化マグネシウム内服例のなかでも長期使用例,ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)阻害薬投与例,腎機能低下例,高齢者は高マグネシウム血症になるリスクがある.
◎刺激性下剤は有効であるが,耐性などから短期間で頓用での使用を心掛ける.
◎浸透圧性下剤,粘膜上皮機能変容薬,胆汁酸トランスポーター阻害薬は用量調整をすることを前提にして,適正に使用する.
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