Japanese
English
臨床報告
大網に発生したデスモイド腫瘍の1例
A case of omental desmoid tumor presenting as an abdominal mass
冨永 奈沙
1
,
福岡 伴樹
1
,
岡野 佳奈
1
,
水野 亮
1
,
西 鉄生
1
Nasa TOMINAGA
1
1名古屋記念病院外科
キーワード:
腹腔内デスモイド腫瘍
,
大網
Keyword:
腹腔内デスモイド腫瘍
,
大網
pp.870-874
発行日 2022年7月20日
Published Date 2022/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407213780
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要旨
症例は48歳,女性.3年前に子宮全摘の既往がある.腹部腫瘤を主訴に当院を受診した.造影CTでは横行結腸頭側に9 cm大の充実性腫瘍を認めた.注腸造影では腫瘍による腸管の圧排がみられ,診断的治療として腫瘍摘出術を行った.手術所見では大網発生の腫瘍であり,大網と腹壁を一部合併切除した.病理検査では線維芽細胞の増生と線維化,膠原線維化がみられ,β-カテニン陽性であった.以上より,腹腔内デスモイド腫瘍と診断された.デスモイド腫瘍は線維芽細胞から生じる軟部腫瘍で,発生頻度は100万人あたり2.4〜4.3人,腹腔内発生はそのうち8%と比較的まれな疾患である.大網原発デスモイドの報告は少なく,文献的考察を加えて報告する.
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