CKD 患者におけるがん化学療法─透析患者を中心に
I 総論 2 透析患者における悪性腫瘍の疫学
中井 滋
1
1藤田医科大学医療科学部臨床工学科
キーワード:
透析
,
がん死亡率
,
がん罹患率
,
CKD
,
AKI
Keyword:
透析
,
がん死亡率
,
がん罹患率
,
CKD
,
AKI
pp.697-704
発行日 2019年6月20日
Published Date 2019/6/20
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000926
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• 一般人口死因の 1位である悪性新生物(悪性腫瘍)は,透析患者では死因の 3 位である.
• Iseki らによれば,わが国の透析人口の一般人口に対するがん死亡標準化死亡比(SMR)は2.96 である.
• 海津らによれば,わが国の透析患者の一般人口に対するがん罹患標準化罹患比(SIR)は,男性1.07,女性1.41 である.
• 透析患者のがん罹患SIR は,若年者で高く,男性では腎がんと多発性骨髄腫,女性では子宮がんで高い.
• 米・欧・豪,そして台湾においても,透析人口の一般人口に対するがん罹患SIRは高い.
• 透析導入前の慢性腎臓病(CKD)患者では,推算糸球体濾過量(eGFR)が低いほどがん罹患率が高い.
• 急性腎障害(AKI)の既往は(透析から離脱していたとしても)がん罹患リスクを高める.
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