特集 透析患者における電解質・酸塩基平衡異常―透析液を含めて
10.透析患者において適正な血清マグネシウム濃度とは
坂口 悠介
1
1大阪大学大学院医学系研究科腎疾患臓器連関制御学寄附講座
キーワード:
マグネシウム
,
骨折
,
生命予後
,
イオン化マグネシウム
,
透析液マグネシウム濃度
Keyword:
マグネシウム
,
骨折
,
生命予後
,
イオン化マグネシウム
,
透析液マグネシウム濃度
pp.203-208
発行日 2019年2月10日
Published Date 2019/2/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000801
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透析患者の診療において高マグネシウム(Mg)血症に留意すべきであることはいうまでもないが,近年の観察研究では軽度の高Mg 血症をもつ血液透析患者の生命予後が良好であったことが報告されている.Mg の血管石灰化抑制効果が実験的に示されており,血管石灰化のハイリスクである透析患者では血中Mg濃度がやや高めのほうが有利なのかもしれない.透析患者ではMg と結合するリンなどの陰イオンが血液中に蓄積するため,イオン化Mg の割合は減少しており,血中イオン化Mg 濃度は大半の患者で基準範囲内である.今後,Mg を高める介入研究が行われ,血液透析患者にとって最適な血清Mg 濃度が見出されることが期待される.
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