特集 保存期慢性腎臓病と透析期のステージに応じた診療のポイント
[Chapter 2] 輸液・電解質異常への対応
カルシウム・リン・マグネシウムの管理
坂口 悠介
1
1大阪大学大学院 医学系研究科腎臓内科
キーワード:
CKD-MBD
,
高リン血症
,
カルシウム
,
Ca受容体作動薬
,
マグネシウム
Keyword:
CKD-MBD
,
高リン血症
,
カルシウム
,
Ca受容体作動薬
,
マグネシウム
pp.30-35
発行日 2023年7月1日
Published Date 2023/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika132_30
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▪腎臓はカルシウム・リン代謝を司る中心的な臓器である.
▪腎機能が低下したCKD患者では,カルシウム・リン代謝調節が障害されるため,高リン血症や副甲状腺機能亢進症が出現し,血管石灰化が促進されることで心血管イベントリスクの上昇につながる.
▪CKDに伴う骨・ミネラル代謝異常(CKD-MBD)の病態を的確に把握し,治療することはCKD診療において必須である.とくに高リン血症の管理やカルシウム負荷の軽減,二次性副甲状腺機能亢進症に対するCa受容体作動薬の使用は血管石灰化の進行を抑制するうえで重要である.
▪近年,マグネシウムの血管石灰化抑制作用が知られるようになり,これまではCKD患者に対して投与が控えられてきたマグネシウム製剤の価値が見直されている.
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