特集 透析患者における電解質・酸塩基平衡異常―透析液を含めて
4.腹膜透析液の進歩と透析液の選択
水野 正司
1
,
伊藤 恭彦
2
1名古屋大学大学院医学系研究科腎不全システム治療学寄附講座
2愛知医科大学腎臓・リウマチ膠原病内科
キーワード:
腹膜透析液
,
歴史
,
中性液
,
ブドウ糖分解産物(GDP)
,
カリウムフリー
Keyword:
腹膜透析液
,
歴史
,
中性液
,
ブドウ糖分解産物(GDP)
,
カリウムフリー
pp.157-164
発行日 2019年2月10日
Published Date 2019/2/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000795
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腹膜透析(PD)は,血液透析と比較して,溶質除去および除水の効率については決して良いとはいえない.ところが,このPD の特徴である血液透析に比べて緩徐にしか溶質除去と除水ができない点が,逆に生体内部に急激な変化をきたさず,これはPD にとっての利点でもあるといえる.このような特徴のあるPD を支えるPD 液であるが,本稿では,過去から現在までのPD 液の進歩,PD 液バッグの工夫,および今後の展望について概説する.また,現在のPD 液の組成の意義,PD 液による溶質除去の工夫,浸透圧物質と除水について,緩衝剤の変化について,さらにPD 液組成における電解質のなかで,とくにナトリウムとカルシウムを中心に解説する.
※最後のページに訂正情報があります.
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