今月の主題 浮腫と臨床
浮腫患者のみかた
浮腫液の組成
境 敏秀
1
,
広田 彰男
2
1東邦大第3内科
2東邦大内科
pp.1223-1225
発行日 1977年9月10日
Published Date 1977/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207343
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はじめに
成人の体液のおよそ3/8は細胞外液であり,5/8は細胞内液である.通常前者は15l,後者は25lである.細胞外液は細胞外のすべての体液,つまり血漿および間質液(組織液)より構成されており,その大部分は間質液が占めている.浮腫液は組織間隙内に多量に貯留した水分であり,問質液の過剰の増加と定義されている.典型的な組織間隙内水分は,通常0.25〜1.00%濃度のmucopolysaccharideを含んでいる.これらの主成分はhyaluronic acid, polysaccharideと微量の蛋白質であり,ほかに極く微量の蛋白質と強い親和性のあるchondroitin sulfateが含まれている.このmucopolysaccharideの形態は,間質液にゲル状の性質を提供している.一方,極く少量の非ゲル状液であるfree waterが通常組織間隙内に認められる.正常組織では全間質液のおよそ1%であるが,組織間隙が浮腫状になると,50〜80%の間質液がfree waterになるという.
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