特集 2025年に向けた透析室のキュアとケア
5.2025 年に向けた健康寿命をいかに伸ばすか(1)フレイル予防のキュアとケア
上月 正博
1
1東北大学大学院医学系研究科機能医科学講座内部障害学分野
キーワード:
透析
,
慢性腎臓病
,
腎臓リハビリテーション
,
運動療法
Keyword:
透析
,
慢性腎臓病
,
腎臓リハビリテーション
,
運動療法
pp.1425-1433
発行日 2018年11月10日
Published Date 2018/11/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000707
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慢性腎臓病(CKD)患者は,高齢化や運動不足に加えて,尿毒症物質の蓄積,アシドーシス,炎症性サイトカインなどのためフレイルをきたしやすい.フレイルはQOL や生命予後に影響を与える.運動療法は,透析患者の最大酸素摂取量の増加,心機能改善,骨格筋線維の増加,PEW(protein energy wasting)の改善,透析効率改善,ADL・QOL の改善などの効果を有する.さらに,保存期CKD 患者の透析導入を先延ばしできる可能性が高い.運動様式としては,相手と接触するスポーツは避け,ウォーキングを中心とした有酸素運動,レジスタンストレーニング,柔軟体操が基本である.日本腎臓リハビリテーション学会が設立され,運動療法が一部診療報酬にも収載され,今後の運動療法の普及・発展が期待される.
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