特集 透析患者の人生の最終段階への関わり方
1.透析差し控え・中止
(1)「 維持血液透析の開始と継続に関する意思決定プロセスについての提言」―背景と考え方
平方 秀樹
1
1福岡腎臓内科クリニック
キーワード:
透析の見合わせ
,
自己決定
,
法の欠缺
Keyword:
透析の見合わせ
,
自己決定
,
法の欠缺
pp.1179-1186
発行日 2018年9月10日
Published Date 2018/9/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000661
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2013 年,日本透析医学会(JSDT)は,「透析導入」と「透析処方」,そして,「透析非導入と継続中止に関する提言」(提言)の3 部からなる慢性血液透析療法に関するガイドラインを発表した.提言作成に際しては,① 透析非導入あるいは継続中止という用語は使用しない,② 医療経済とは関連させない,③患者の年齢に準拠した議論は行わない,など七つの原則を掲げた.患者の意思が不明の場合には,意思が明確であったころの患者の意思を尊重することを基本とし,家族と医療チームが十分に話し合って合意に至るプロセスを想定して患者本人の意思決定を最優先することを基本としながら,安全で安心できる慢性透析療法の実施を目指すための提案と位置づけた.エビデンスに基づいたガイドラインではなく,JSDT としての慢性透析療法実施に際しての立場表明であることを強調したい.
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