特集 透析室の感染症へどう対応するか
各論 14.透析患者からB 型・C 型肝炎ウイルスを駆逐できるか
菊地 勘
1
1下落合クリニック
キーワード:
B 型肝炎ウイルス
,
C 型肝炎ウイルス
,
HB ワクチン
,
インターフェロン
,
直接型抗ウイルス薬
,
透析
Keyword:
B 型肝炎ウイルス
,
C 型肝炎ウイルス
,
HB ワクチン
,
インターフェロン
,
直接型抗ウイルス薬
,
透析
pp.655-660
発行日 2018年6月10日
Published Date 2018/6/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000504
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透析患者における2015 年の肝炎ウイルス感染状況はHBs 抗原陽性率1.6%,HCV 抗体陽性率6.2 %と経年的に減少傾向にあるが,非透析患者の有病率と比較して高率である.HBV は,一度感染すると体内からの完全排除は困難であり,駆逐することはできない.したがって,HB ワクチン接種と透析室での感染対策が重要となる.また,日本では2016 年10 月1 日からユニバーサルワクチネーション(国民全員がHB ワクチン接種を受ける)が,0 歳児を対象とした定期接種として開始された.HCV に対しては,2014 年にIFN を使用しない,内服のみで治療可能なdirect―acting antiviral(DAA)が発売され,透析患者におけるC 型肝炎治療はパラダイムシフトを迎えた.このDAA 療法はIFN 療法と比較して副作用が非常に軽微であり,透析患者での非常に高い有効性が報告されている.透析患者においても,DAA 療法の登場により,年齢やgenotype に関係なく,短期間での内服治療による治癒が可能となった.
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