特集 透析患者の体力と認知力を考える―患者と家族が満足するキュアとケア
[各論]7.透析患者への運動リハビリテーションの効用
山越 聖子
1
,
伊藤 修
2
1獨協医科大学日光医療センターリハビリテーション部
2東北医科薬科大学医学部リハビリテーション学
キーワード:
サルコペニア
,
有酸素運動
,
レジスタンス運動
Keyword:
サルコペニア
,
有酸素運動
,
レジスタンス運動
pp.485-490
発行日 2018年5月10日
Published Date 2018/5/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000437
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透析患者は筋力・体力・身体機能が低下している状態であるサルコペニアを認め,運動耐容能や身体活動量が低下している.運動耐容能低下や身体活動量低下は,生命予後不良と関連する.透析患者に対する運動療法は,筋力の向上や,運動耐容能,身体機能を改善させ,身体活動量を増加させる.また腎機能維持のための介入手段の一つとしても期待された治療法である.一方で,透析患者に対する運動方法や至適強度,運動療法を実施するタイミングについては未だエビデンスが十分でなく,心不全患者や高血圧患者の運動プログラムに基づいて実施しているのが現状である.今後,透析患者における運動強度や期間に関する検討が進められ,運動療法の推奨プロトコールが早期に作成されることが必要である.
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