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入門講座 透析患者の運動リスクと効果・4
腹膜透析患者のリハビリテーション時の留意点
Points of attention in rehabilitation of peritoneal dialysis patients
遠藤 明里
1
,
伊藤 修
2
Akari Endo
1
,
Osamu Ito
2
1東北医科薬科大学医学部内科学第三(腎臓内分泌内科)
2東北医科薬科大学医学部リハビリテーション学
1Division of Nephrology and Endocrinology, Faculty of Medicine, Tohoku Medical and Pharmaceutical University
2Division of General Medicine and Rehabilitation, Faculty of Medicine, Tohoku Medical and Pharmaceutical University
キーワード:
腹膜透析
,
運動療法
,
有酸素運動
,
レジスタンス運動
Keyword:
腹膜透析
,
運動療法
,
有酸素運動
,
レジスタンス運動
pp.1331-1337
発行日 2023年12月10日
Published Date 2023/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202999
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慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)患者は,高齢化や運動不足のほかに,尿毒症物質の蓄積,CKD合併症としての同化ホルモン作用不全,代謝性アシドーシス,食事療法としての低蛋白食などにより高率にサルコペニアやフレイル,protein-energy wasting(PEW)を合併している.それらの病態は,CKD患者の日常生活動作(activities of daily living:ADL)低下や死亡率の増加にもつながるため,身体機能の維持・向上や生活の質(quality of life:QOL)などの観点からも腎臓リハビリテーションへの関心が高まりつつある.腎臓リハビリテーションの普及をめざして,わが国では日本腎臓リハビリテーション学会が設立され,CKD患者や透析患者の運動指導が診療報酬にも収載された.
腹膜透析は,本邦に1980年から導入,1983年に保険収載されて40年が経過したが,腹膜透析患者に対する運動療法の報告は血液透析患者に比べると少ない.運動療法は腎臓リハビリテーションの中核であり,血液透析患者の運動耐容能,歩行機能,身体的QOLを改善するため,運動療法を行うことがガイドラインでも推奨されている.腹膜透析患者においても,運動療法により運動耐容能の改善や栄養状態・QOLを向上させる可能性が示唆されている.本稿では腹膜透析患者の運動療法について概説する.
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