特集 透析患者向け治療食の最先端
[コラム] 高齢者向けの栄養ガイドラインの必要性―4つのカテゴリ分類
金澤 良枝
1
,
中尾 俊之
1
1東京家政学院大学現代生活学部健康栄養学科,腎臓・代謝病治療機構)
pp.1556-1557
発行日 2017年11月10日
Published Date 2017/11/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000241
- 有料閲覧
- 文献概要
透析患者の栄養管理において,最重要なことは食塩・水分・カリウム管理である.食塩や水分の過剰摂取による溢水,カリウムの過剰摂取による高カリウム血症は生命にかかわる大きな問題である.この点は十分に患者へ伝えるべき点で,これは高齢者であっても外せない点である. 「高齢者」といっても,日常生活活動量や病態はさまざまであり,高齢者として十把一絡げにするには抵抗がある.すなわち,個々の活動量や食欲,身体能力,精神能力,社会環境,生き方の倫理観など,細かな配慮がなされた対応が求められるのではないだろうか.「高齢者」というと,一般にネガティブなイメージが先行しがちであるが,その生き方は千差万別で,ゴルフを楽しむ,社交ダンスを楽しむ,旅行を楽しむといった,活動的な高齢者も存在している.一方,活動性が低下し介助が必要な患者,義歯で食事が食べにくい患者,嚥下や咀嚼の機能が低下している患者,認知症を発症する患者など状態はさまざまである.
Copyright © 2017, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.