研究・調査・報告
幼児向け性教育用絵本の検討
小野 清美
1
1千葉県立衛生短期大学
pp.582-586
発行日 1988年7月25日
Published Date 1988/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611207424
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はじめに
2〜3歳の幼児ではほとんどの子が,風呂にはいった時などに性器の違いや体毛などについて質問してくる。そうした時,親たちは答えに困り,つい"嘘をいったり""話題をはぐらかしたり"することがよくある1)。このように性知識の表現にとまどう親たちに対し,こうした幼児の質問に答える手助けの1つとして絵本がある。
近年,性教育の重要性が叫ばれ,性教育を目的とした幼児向け絵本を書店で見かけるようになった。こうした絵本の著者をみると,学童向けのものでは医療関係者の編集への参加がみられるものの,幼児向けのものでは皆無に等しい。助産婦が編集に参加しているのは筆者が知っている限りではないように思う。しかし,助産婦も性教育用の絵本の内容を知っておくことは大切であろう。そこで,就学前までの子どもが読むのに好ましいということで,保育園・図書館などにおかれている絵本について,どのように性のことが表現されているのかを検討したので報告したい。
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