特集 透析患者向け治療食の最先端
[総論] 2.三大栄養素の重要性―消化・吸収・代謝および各種ビタミンの働き
花房 規男
1
1東京女子医科大学血液浄化療法科
キーワード:
糖質
,
脂質
,
たんぱく質
,
ビタミン
,
筋肉異化
Keyword:
糖質
,
脂質
,
たんぱく質
,
ビタミン
,
筋肉異化
pp.1537-1546
発行日 2017年11月10日
Published Date 2017/11/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000231
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三大栄養素はいずれも腸管内で消化酵素により消化を受けた後,小腸上皮細胞の刷子縁膜上に存在する酵素により,より単純な構造に分解され,輸送体・細胞間隙の受動輸送で吸収される.体内での代謝では,糖質はエネルギーを産生するほか,グリコーゲン,脂肪酸の合成も行われる.長鎖脂肪酸はカルニチンとともにミトコンドリア内に移動し,β酸化を受ける.アミノ酸は蛋白合成に用いられるほか,炭素骨格はエネルギー産生に関与する.消耗状態では,こうした筋蛋白の崩壊が生じる.ビタミンは水溶性・脂溶性に分類されるが,腎不全患者では脂溶性ビタミンの過剰症に注意する必要がある.
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