特集 維持透析患者の喪失感―理解・克服への支援
6.看護師がみる透析患者の喪失感(2)透析期間中期・長期の患者
中原 宣子
1
1浅香山病院・看護師
キーワード:
喪失感
,
高齢者
,
患者理解
,
透析患者
Keyword:
喪失感
,
高齢者
,
患者理解
,
透析患者
pp.1361-1367
発行日 2017年9月10日
Published Date 2017/9/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000187
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
透析患者は透析導入時に強い喪失感をもつが,その後も合併症の出現,加齢による種々の機能低下などの身体の変化,他者との関係や社会の位置づけの変化などを起因とした喪失感が起こることがある.しかし,喪失感の多くは身体症状とは異なり,患者が直接訴えることは少なく,むしろ黙って一人で受け止めていることが多い.患者の今ある状況だけではなく,その背景的意味を理解し患者に起こっていることを推察しなければ気づくことはない.患者を理解し支持的に関わることが,喪失感をもった患者のケアに大切なことである.患者を理解するにはコミュニケーションスキルも必要であるが,看護師自身の人生経験や人としての成長も大切と思われる.
Copyright © 2017, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.