特集 維持透析患者の喪失感―理解・克服への支援
4.透析医・移植医が経験する透析患者の喪失感(1)透析開始後中期・長期患者
平松 信
1
1岡山済生会総合病院腎臓病・糖尿病総合医療センター
キーワード:
透析医
,
透析患者
,
喪失感
Keyword:
透析医
,
透析患者
,
喪失感
pp.1331-1337
発行日 2017年9月10日
Published Date 2017/9/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000183
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- サイト内被引用
透析患者は,それまで大切にしていた大きなものを失う喪失感を抱きながら,透析とともに生きている.保存期腎不全期から透析導入が必要になる際の透析受容における苦悩を,透析医はまず理解するべきである.そして,体液状態の維持,栄養状態の改善などの臨床上のメリットのみならず,生命予後にも影響する残存腎機能(尿量)低下という喪失感,合併症などさまざまな因子によるQOL の低下という喪失感,加齢や疾病などによる認知能力低下という喪失感,導入時には保持されていた自立能力低下という喪失感,人生の最終段階の看取りにおける喪失感を,透析医は理解し,患者(家族)を支援する努力を惜しむべきではない.
Copyright © 2017, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.