特集 維持透析患者の喪失感―理解・克服への支援
3.在宅緩和ケアを通じてみた患者の喪失感
柴田 岳三
1
1緩和ケアクリニック・恵庭
キーワード:
在宅緩和ケア
,
喪失感
,
在宅医療
,
訪問診療
Keyword:
在宅緩和ケア
,
喪失感
,
在宅医療
,
訪問診療
pp.1325-1330
発行日 2017年9月10日
Published Date 2017/9/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000182
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筆者は外科医を25 年,ホスピスでの緩和ケア医を9 年,さらに在宅緩和ケアを標榜した訪問診療医を始めて7 年が経過している.この間,多くのがん患者と向き合い,自立が失われ,残された時間が限られ,親しい人とも別れなければならないなど,多くの喪失感に苦しむ患者の姿を見てきた.しかしながら訪問診療医となって感じていることは,それほど喪失感を強く表さない患者,いや,むしろ死を積極的に受け入れようとする患者が多くなっているのではないかということである.緩和ケア技術の進歩もあろうが,在宅療養を希望する患者にはより高齢者が多いこと,入院患者より病期が進んでいる場合が多いことなどがその理由と考えられる.
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