収縮期駆出性雑音を認め右心不全を呈した中年女性

患者 50 歳代，女性。以前職場の健康診断で心電図異常を指摘されたが未受診だった。最近になり下腿浮腫は増悪し易疲労感と動悸症状も出現したため精査加療目的に当院受診した。特記すべき既往歴や家族歴はない。身長156cm，体重43.5㎏，血圧142/82mmHg。心拍112/ 分，不整。SpO2 95％（room air）。呼吸音は清。心音は高位傍胸骨左縁に収縮期駆出性雑音を認める。頸静脈は軽度怒張し両下腿に浮腫を認める。　　心電図 心拍112/ 分，心房細動，右軸偏位，不完全右脚ブロック。　　心エコー図検査 左室駆出率（left ventricular ejection fraction：LVEF）60％，局所壁運動低下なし，右室：右室基部径 44mm（正常値＜ 42mm），TR Vmax 2.4m/ 秒，IVC 径22mm，呼吸性変動なし，TR moderate，心房中隔を通過する血流は心窩部アプローチでもみられない。左房内に隔壁様構造あり（三心房心疑い）。