特集 透析医療における情報技術の進歩・展開
4.透析版ビッグデータの活用(4)Q コホート研究
鶴屋 和彦
1
,
谷口 正智
2
1九州大学大学院包括的腎不全治療学
2福岡腎臓内科クリニック
キーワード:
慢性血液透析患者
,
コホート研究
,
主要心血管イベント
,
総死亡
Keyword:
慢性血液透析患者
,
コホート研究
,
主要心血管イベント
,
総死亡
pp.1269-1275
発行日 2017年8月10日
Published Date 2017/8/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000163
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2006 年よりわれわれは,慢性血液透析患者約3,600 例を対象に,総死亡,感染症や腫瘍による死亡,主要心血管イベント(MACE),骨折の発症などをアウトカムとした前向きコホート研究(Q コホート研究)を行っている.Q コホート研究の対象患者の臨床データは,透析時間が長いこと以外は,日本透析医学会が集計・発表している2006 年12 月31 日時点のわが国の透析患者のものときわめて相似している.これまでに,赤血球造血刺激因子製剤に対する低反応性と総死亡・MACE 発症リスク上昇,ビタミンD 受容体作動薬使用と感染症死亡のリスク低下,高リン血症と脳出血リスク上昇,心胸郭比増加と総死亡・MACE 発症リスク上昇,筋肉量低下と骨折リスク上昇などについて有意な関連性を示し,報告してきた.現在,10 年予後について調査中である.
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