妥当な学習者評価を行うためには？―評価学の基本から学んでみよう―

How to conduct a valid learner assessment―learning from the basic principles of assessment

はじめに

　わが国の医療専門職の学習者評価は，従来は筆記試験や面接・口頭試問が主流であったが，最近では客観的臨床能力試験（objective structured clinical examination：OSCE），短縮版臨床評価法（mini-clinical evaluation exercise：mini-CEX），360度評価などさまざまなツールが海外から紹介され，導入されるようになった。教育者が次世代の医療人育成を目指して新たな評価ツールに関心をもつことは称賛すべきであるが，評価ツールを適切に導入しなければ，教育現場に混乱をもたらすばかりである。本稿では今日の医学教育のフレームワークであるコンピテンス基盤型教育と，それに適した学習者評価の妥当性の検証方法について述べる。