増刊号 それぞれの創傷治癒
Ⅱ.頭部・顔面・頸部 3.眼瞼下垂症手術における創傷治癒
山下 建
1
,
四ッ柳 高敏
1
1札幌医科大学形成外科学講座
pp.S91-S96
発行日 2024年6月30日
Published Date 2024/6/30
DOI https://doi.org/10.18916/keisei.2024130023
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はじめに
眼瞼は,物理的な刺激から眼球,特に角膜を保護している。また瞬目により均一な涙液層を形成して眼球表面の湿潤状態を保持し,自発的・反射的に眼瞼を動かすことで眼球に入る光の量を調節している。その役割を果たすため,3 cm四方,厚さ5 mm程度の小さな範囲がさまざまな組織で構成されている全身でもまれな部位である。また,眼瞼は創傷治癒過程が円滑に進む部位であり,創傷治癒遅延やケロイド・肥厚性瘢痕が問題となることは少ない。
眼瞼下垂症手術において満足のいく手術結果を得ると同時に合併症を回避するためには,多様な組織で構成された上眼瞼の解剖学的構造と,その創傷治癒を十分に理解することが必要となる。本稿において,文献的考察を加えて報告する。
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