増刊号 それぞれの創傷治癒
Ⅱ.頭部・顔面・頸部 5.口蓋裂の創傷治癒
時岡 一幸
1
1埼玉医科大学形成外科・美容外科
pp.S101-S105
発行日 2024年6月30日
Published Date 2024/6/30
DOI https://doi.org/10.18916/keisei.2024130025
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はじめに
口蓋裂に対する初回手術(以下,口蓋形成術)は形成外科手術の中でも特殊な手術である。成書に記載されている手術のシェーマを見ると,単なるZ形成術やV-Y形成術に見えるが,実際に行ってみると難易度が極めて高い。そのため,経験の少ない術者が執刀すると,創離開などの創傷合併症が起こりやすい。
本稿では口蓋形成術における創傷治癒の理解を目的として,口蓋裂の分類と解剖,代表的な術式と創閉鎖の工夫,創傷合併症について解説する。
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