増刊号 それぞれの創傷治癒
Ⅱ.頭部・顔面・頸部 4.口唇裂の創傷治癒
佐藤 顕光
1
,
今井 啓道
1
1東北大学形成外科
pp.S97-S100
発行日 2024年6月30日
Published Date 2024/6/30
DOI https://doi.org/10.18916/keisei.2024130024
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はじめに
口唇裂治療の目的は正常に近い口唇外鼻形態を得ることである。しかし乳児期に行われる口唇形成術だけではその目的は達成することが難しい場合が多い。低形成な組織による左右差,成長に伴う形態の歪み,瘢痕の問題などがあり,それらに起因する変形は仮に幼少期には目立たなくても成長とともに明らかになってくることがあり,二次修正手術が必要になることがある。そのため,初回口唇形成術では口唇裂特有の解剖を理解したうえで,成長や二次修正手術につながる治療を行うことが重要である。
本稿では,口唇裂における構造の特徴から,現在当科で行っている治療の要点について解説する。
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