投稿論文 紹介
"麻酔をかける"という表現の語史学的研究
松木 明知
1
1弘前大学 大学院医学研究科麻酔科学教室
キーワード:
麻酔
,
用語法
,
江戸期医学史
Keyword:
Anesthesia
,
Terminology as Topic
pp.1146-1159
発行日 2022年10月10日
Published Date 2022/10/10
DOI https://doi.org/10.18916/J01397.2023009704
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"麻酔をかける"は口語的表現で,多義語"かける"はここでは"薬品などにその機能を発揮させる"の意である。わが国の麻酔科学の歴史は1804年までさかのぼることができるから,この表現の語史を調べるため1804年から幕末期までの史料を渉猟した。その結果,この表現は1815年の春林軒門人曽根玄達の「花岡留塾漫録」に初出することを見出した。わが国に吸入麻酔法が伝えられるだいぶ以前の記録であるから,この表現は吸入麻酔の開放点滴法とは全く無関係である。
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