投稿論文 紹介
冠動脈造影と左室造影の検査時間に関する正規性の検定と時間延長症例の検出 正規分布と箱ひげ図
水野 樹
1
,
猪俣 武範
,
野尻 宗子
1順天堂大学医学部附属順天堂医院 麻酔科学・ペインクリニック講座
キーワード:
血管心臓造影
,
時間
,
心臓カテーテル法
,
冠血管造影
,
正規分布
,
後向き研究
Keyword:
Angiocardiography
,
Retrospective Studies
,
Normal Distribution
,
Coronary Angiography
,
Time
,
Cardiac Catheterization
pp.1141-1145
発行日 2022年10月10日
Published Date 2022/10/10
DOI https://doi.org/10.18916/J01397.2023009703
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
背景:心臓カテーテル室の運営のために,検査時間のモニタリングが実施されている。実施された心臓カテーテルの検査時間が,予定された検査時間に比較して延長することがある。今回,統計学的手法を用いて,冠動脈造影と左室造影(coronary angiography and left ventriculography:CAG-LVG)の検査時間に関する正規性の検定と時間延長症例の検出を行った。方法:順天堂大学順天堂医院心臓カテーテル室で実施された113症例のCAG-LVGの検査時間が,本研究の対象として用いられた。正規分布への適合度の検定には,アンダーソン・ダーリング(Anderson-Darling:AD)検定,クラメール・フォンミーゼス(Cramer-von Mises:CVM)検定,コルモゴロフ・スミルノフ(Kolmogorov-Smirnov:KS)検定が用いられた。時間延長症例である外れ値の検出に,箱ひげ図が用いられた。結果:実施された検査時間の平均値は0.49時間,標準偏差は0.35時間,中央値は0.37時間であった。AD検定はP<0.005,CVM検定はP<0.005,KS検定はP<0.01であり,正規分布であるという帰無仮説を棄却できた。箱ひげ図で,上限値1.13時間より大きい時間延長症例は8症例であった。結論:CAG-LVGの検査時間は正規分布ではない。時間延長症例の検出に箱ひげ図の外れ値が使用される。
Copyright© 2022 KOKUSEIDO CO., LTD. All Rights Reserved.