投稿論文 紹介
"伝記"の著者たちは華岡青洲の著述の原典を読んだのか
松木 明知
1
1弘前大学 大学院医学研究科麻酔科学教室
キーワード:
伝記
,
江戸期医学史
,
呉秀三
,
関場不二彦
,
華岡青洲
Keyword:
Biographies as Topic
pp.627-645
発行日 2022年6月10日
Published Date 2022/6/10
DOI https://doi.org/10.18916/J01397.2022245833
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呉 秀三は華岡青洲の著述の原典を多数読んで本格的伝記を書いたが、青洲を偶像視したため原典の解釈を誤り、それが謬見誕生の発端となった。関場不二彦は原典を正しく解釈したが、後続の研究者はなぜかその論考を等閑に付した。森慶三らの著書は呉の伝記の現代日本語訳といえるが、彼らは原典を利用しなかったため謬見が拡大した。森以降の著者たちも同様である。これらの著者が原典を正しく利用・解釈しなかったことが謬見流布の大きな原因である。
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