投稿論文 紹介
華岡青洲の1795年の再上洛は何を意味するか
松木 明知
1
1弘前大学 大学院医学研究科麻酔科学教室
キーワード:
麻薬
,
薬学史
,
定期刊行物
,
医薬品開発
,
江戸期医学史
,
麻沸散
,
華岡青洲
Keyword:
Drug Development
,
Narcotics
,
Periodicals as Topic
,
History of Pharmacy
pp.890-896
発行日 2021年8月10日
Published Date 2021/8/10
DOI https://doi.org/10.18916/J01397.2021294656
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華岡青洲の"麻沸散"の明確な完成時期は知られてはいなかった。青洲は1795年に再上洛して膏薬の研究を開始した。これは青洲が"麻沸散"の開発を終えて次の段階に進んだことを意味する。"麻沸散"の研究には先人の処方の博捜が必須であり、友人中川修亭の協力が不可欠であった。修亭は1788年春ごろから1791年末まで青洲宅に寄寓した。このとき、青洲は修亭に先人の処方の探索を依頼したと考えられる。したがって、青洲が"麻沸散"の開発に取りかかったのは1788年で、1795年5月までに"麻沸散"を完成しているので、その開発には7年を要したと推定される。
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