投稿論文 紹介
華岡清洲編「膏方便覧」の構成とその成立に関する研究
松木 明知
1
1弘前大学 大学院医学研究科麻酔科学教室
キーワード:
医学書誌
,
軟膏剤
,
薬学史
,
江戸期医学史
,
華岡青洲
Keyword:
Bibliography of Medicine
,
Ointments
,
History of Pharmacy
pp.1009-1020
発行日 2021年9月10日
Published Date 2021/9/10
DOI https://doi.org/10.18916/J01397.2021354603
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華岡青洲編の「膏方便覧」の詳細は不明であった。著者は写本40本を調査して、この著述は3部構成であることを明らかにした。膏方使用の原則と14種の膏方(十四膏方)の功能を述べた"貼膏方攷"が最初に成立し、次に十四膏方の製造の基本と実際を述べた狭義の"膏方(薬)便覧"が続き、最後に十四膏方と同様な功能を有する類方の製法を記述した"膏方(薬)附録"が追加されて、現今見られる「膏方便覧」が完成したことが明らかになった。現在の知見では、その成立は1809年までさかのぼることができる。
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