投稿論文 短報
脊椎側彎症手術が施行された両大静脈肺動脈吻合術後状態2症例の麻酔経験
伊瀬谷 沙織
1
,
小林 隆史
,
高橋 裕也
,
宮田 美智子
,
鈴木 翼
,
永塚 綾
,
小石 若菜
,
新居 正季子
,
鈴木 健二
1岩手医科大学 麻酔科学講座
キーワード:
Fentanyl
,
Propofol
,
術中モニタリング
,
静脈麻酔
,
脊柱側彎症
,
中心静脈圧
,
右心バイパス術
,
Remifentanil
,
肺静脈還流異常
,
単心室
,
心係数
Keyword:
Anesthesia, Intravenous
,
Fentanyl
,
Scoliosis
,
Monitoring, Intraoperative
,
Propofol
,
Univentricular Heart
,
Remifentanil
,
Central Venous Pressure
,
Heart Bypass, Right
pp.1125-1129
発行日 2020年10月10日
Published Date 2020/10/10
DOI https://doi.org/10.18916/J01397.2021033180
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両大静脈肺動脈吻合術(TCPC)後の循環動態の特徴として、肺循環への駆出心室がないため、体静脈圧・右房圧・肺動脈圧と肺静脈圧・左房圧との圧較差を駆動力として非拍動性の血流が維持される。そのため、循環の維持には適切な静脈還流の維持が不可欠である。全身麻酔下での人工呼吸管理中は胸腔内圧が陽圧となるため、静脈還流量が低下しやすい。また、脊椎側彎症手術は腹臥位で行うため、胸部圧迫による胸腔内圧上昇によって静脈還流量はさらに低下しやすい。今回、TCPC既往のある患者に脊椎側彎症手術を施行する際、中心静脈圧と動脈圧波形心係数を指標に麻酔を行い、肺血管抵抗を上昇させないように管理し、良好な結果が得られた症例2例を報告した。
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